シェルアート・貝細工・From Sea　　沖縄、南城市から

就職して、六年たつたころ初めての転勤だった。
半年経つたころに職場の鏡で、自分の頭頂部にはげがあることに気がついた。
びっくりしてすぐに皮膚科に飛んでいった。
そこから十五年くらいどこかがはげていた。
それがまつ毛の時もあった。
初めのころはホントにひどくて、アデランスでかつらを作った。
ボーナス全部飛んで行った。
しかし、人髪が顔に当たるのが気持ち悪い、もしずれたらばれちゃうなどで結局ほとんど使わなかった。
五、六年たってずいぶん落ち着いたころに簡単な頭頂部のウイッグをつくった。
これも同じくらい高かったる。
結局これも素晴らしいかつらなのだけど使っていない。(年をとってから使おうかな)
しかしかつらはいざという時のお守りだった。
その間頭皮のマッサージなどなど。
三、四年前まで結局どこかがはげていた。
今幸いにもはげのない状態。
やっと。二十年くらいになる。
だからはげてることの苦しみがよくわかる。
どんなに頑張っても自分ではなかなか治せない。
自分の努力とは関係なかった。

近頃色々な芸能人が禿を克服している。
かつらかもしれないけど、それで変に隠さず、すっきりしているのがいいと思う。
手足が不自由になるのとは違うから、「それぐらい」と思われるかもしれないけど、違う精神的ダメージがある。
それは自然にはげた人も、病気ではげた人も、病気の治療ではげた人も、みんな同じではないかと思っている。
きっと、年も男女もそんなに関係ないのではないかとも思う。
近頃は、百円ショップにまで、ウイッグが売られていて、かつらが珍しくなくなった。
かつらもきっと以前より購入しやすい価格になったのではないかな。

テレビを見ていて、男優や歌手がはげてなくなってきて、つくづくいい時代になったなと、思う。